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Beating 第27号
2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
第5回:オンライン上の教師の街 〜『Tapped In』

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  東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」   
  メールマガジン「Beating」第27号     2006年8月29日発行    
                        現在登録者1158名   
  2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
   第5回:オンライン上の教師の街 〜『Tapped In』

           http://www.beatiii.jp/
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みなさんこんにちは。お元気でお過ごしでしょうか?

BEATでは、暑い最中、第3回公開研究会『ゲーム・ルネッサンス:いつか来た道、
これからの道』において、参加者全員、外の暑さに負けないくらい(!?)熱く語り
合うことが出来ました。
(第3回公開研究会レポートは本日公開されます。)

学校の夏休みの終わりというこの時期、何か(宿題など?)遣り残した焦燥感に
駆られたりもしますが、秋から心機一転、リフレッシュして再スタートしたい
と思っています。

それでは、2006年度Beating第27号のスタートです!

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┃★CONTENTS★
┃■1. 特集:2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
┃   第5回:オンライン上の教師の街 〜『Tapped In』
┃
┃■2. 【お知らせその1】公開研究会「BEAT Seminar」2006年度第5回:
┃                         〜10/7(土)開催!
┃
┃■3. 【お知らせその2】東京大学大学院教育学研究科
┃    教育測定・カリキュラム開発(ベネッセコーポレーション)講座
┃                             のご案内
┃
┃■4. 【お知らせその3】2006年度第3回公開研究会「BEAT Seminar」
┃                         Webサイトのご案内
┃
┃■5. 編集後記
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■1. 特集:2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
    第5回:オンライン上の教師の街 〜『Tapped In』
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今年度のBeatingでは、BEATの研究をより理解していただくため、Beatingで昨
年度までに見てきた学習理論を土壌に、世界各地で花開いている学習プロジェ
クトを、1年を通じてみなさんに紹介していく講座を開講いたします。

昨年度のBeatingバックナンバー 
http://www.beatiii.jp/beating/index.html

「◯◯理論とは言うけれど、いまいち具体的なイメージがわかないなあ…」
「どうやったら教室や学びの場に実際に使えるのだろう?」そんな声にお答え
するべく、今年度のBeatingでは古今東西学習プロジェクトの“いま”を、
みなさんにお届けしていきます。

朝の電車に揺られながら、お昼のお供、風呂上がりの一時に、軽く目を通して
いただくことで、世界各地の学習プロジェクトの現在が見えてくる。また、一
年を通して読み続けると、学習プロジェクトの歴史から現在のトレンド、未来
までをも考えられる、盛り沢山な内容を用意しています。

第5回目となる今回は、オンライン上に巨大な教師の街を出現させてしまった
、
『Tapped In』のお話です。

早速みてみましょう!

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第5回:オンライン上の教師の街〜『Tapped In』

国・発足年:アメリカ 1997年
代表者    :マーク・シュレーガー
所  属    :スタンフォード研究所

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■教師の質が生徒の達成度を左右する!

最近、「教師力」が大切、とかいう言葉をよく聞きませんか?「教師力」とは
、教師が子どもの力を引き出し伸ばす力とでもいえるでしょうか。たしかに、
これまでの教育や学習に関する研究から、教師の力量によって生徒の学習達成
度が左右されることがわかっています。教師には常に、教える内容に関する深
い理解と、教室をより良い学習環境へと変革していくための知識・手法が求め
られているのです。こうした知識や手法は、「教師の専門性」と呼ばれます。
しかし、日々の授業や仕事を抱えている教師たちが、こうした専門性を発達さ
せ続けるのは、簡単なことではありません。新しい知識、教え方を学びたい、
あるいは、ちょっと試してみたいアイディアがあったとしても、毎日忙しい教
師にとって、それらをすぐに実践へと移すのは難しいものです。

Tapped In(the Teacher Professional Development Institute)は、教師とし
ての専門性を獲得したいと願う教師たちにインターネットを介して新しい学び
の可能性を提供します。そうすることで、多様な価値観、技術、背景を持った
教師たちが集い、いつでも交流することを促進します。ここで教師たちは様々
な授業案に触れたり、人気のある教材やその使い方、テストの方法からクラス
運営の仕方まで、様々な情報ソースにアクセスすることができます。


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■これまで教師が勉強することは難しかった…

そもそも、Tapped In以前のインターネットには、教師のための学習環境がほ
とんどありませんでした。さらに、インターネットを経由して得られるわずか
ばかりの情報は、それを使いこなせる一部の教師しか利用していませんでした
。いつ返事がくるかわからない、細々と運営されている掲示板などで、お世辞
にも使い勝手が良いとは言えないものだったからです。そこで、SRI internat
ionalのマーク・シュレーガーたちは、教師の専門性を高めることを目的に、
インターネット上に教師たちが集まる大きな街を作り出したのです。インター
ネットが爆発的に普及し始めた1997年に、Tapped Inは始まります。


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■インターネットに教師の街を!

Tapped Inは、インターネット上にある教師たちが集い、語り合うことができ
る街=会議室の集まりだと言うことができます。教育者であれば誰でもが参加
する事ができるこのインターネット上の街には、様々な目的に合わせて、いく
つもの会議室があります。学校改革や科学教育等々、目的に合わせて作られた
会議室の中には、さらに細かい議題に関する小部屋や、個人・グループの情報
を管理してくれるオフィス、他愛もない会話ができるパブリックスペースまで
用意され、もちろん、自ら率先して議題を提案し、新たな会議室を立ち上げる
事も可能になっています。「普段教えている〜って他ではどうなっているのだ
ろう?」「こんな授業を思いついたのだけれど…」。そんなアイディアに、何
十人、何百人の教師が反応してくれるのです。それぞれの会議室の中では、そ
れまでの議論や引用された資料、情報が閲覧可能になっており、参加している
他のメンバーともチャット形式で対話することができます。

これまでも、教師は地域の学校や機関が作る勉強会などで、教師としての専門
性を学ぶことはできました。しかしながら、特定の地域内にいる教師数十人だ
けでは、個々の教師が持つ多様な興味や、必要とされる情報に対応するのは難
しいものです。インターネット上の空間を利用することで、地理的な制約をな
くし、様々な地域、情報を集積したTapped Inは、教師の専門性発達という高
度な共同体を形成するのにうってつけの場所であったと言えるでしょう。


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■Tapped Inの成果は?

1997年、420人の教育者で始められたTapped Inは、1999年に5000人を超え、20
02年には15000人以上の登録会員数を集めるまでに至っています。より直感的
なインターフェースへの変更等進化を続けるTapped Inは、多くの教師たちに
よって集められた情報の集積場として機能し、教師たちを結びつける共同体と
して世界を巻き込み、成長し続けています。オンラインコミュニティの典型例
とも言われるTapped Inは、これからも教師の専門性発達の現場に大きな影響
を及ぼし続けることでしょう。


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●参考文献
Schlager, M., Fusco, J., Schank, P., (2002), "Evolution of an On-Line 
Education Community of Practice" In Renninger K. and Shumar, W. (Eds) 
"Building virtual communities: Learning and change in cyberspace." Cam
bridge University Press.


●参考URL
『Tapped In』公式ホームページ
http://tappedin.org/tappedin/

(特集記事協力:
 三宅正樹/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年
 平野智紀/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年)
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今号でのTapped Inの紹介、お分かりいただけましたでしょうか。
Beatingで知ってもっと学びたくなった、という方のために参考図書も充実さ
せていく予定です。どうぞご期待ください。

では、「5分でわかる学習プロジェクト講座」次号もどうぞお楽しみに!
ご意見・ご感想もお待ちしております。


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■2. 【お知らせその1】公開研究会「BEAT Seminar」2006年度第5回:
                         〜10/7(土)開催!
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今年度第4回となる9月のBEAT公開研究会は、

  「イマドキキッズの遊びと学び:チルドレンズミュージアムの挑戦」

というテーマでの開催を予定してます。

—————————【第5回 公開研究会 概要】————————————
■日時
  2006年9月2日(土曜日) 午後2時より午後5時まで

■場所
  東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館北館 9階 92-B教室
  http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map25.pdf

■定員
  70名

 ※ただいま鋭意企画中!プログラム詳細は号外にてお知らせします。
 ※お申込み受付は、第4回公開研究会(9月2日)終了後からとなります。


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2005年度の公開研究会では、いつもたくさんの方々にご参加いただきまして
ありがとうございました。

2005年度は、「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」と題し、
古今東西のデジタル教材をレビューすることによって、みなさまと一緒に
教育を支える新しい人工物の姿を考えてきました。

この公開研究会でレビューした教材を中心に、次のような本の出版を予定し
ています。
———————————————————————————————————
「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」(仮称)
2006年出版予定
ベネッセ先端教育技術学講座(編著)
———————————————————————————————————

2006年度の公開研究会でも、みなさまの多数のご参加を心よりお待ちしており
ます。今後の情報をお見逃しなく。


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■3. 【お知らせその2】東京大学大学院教育学研究科
   教育測定・カリキュラム開発(ベネッセコーポレーション)講座
                             のご案内
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■テーマ:「読解力の発達過程(仮)」

■日時: 9月2日(土) 15:30〜17:30
     (終了後懇親会を予定,任意参加 ※会費¥3,000)

■場所: 東京大学 本郷キャンパス 
     赤門総合棟 A200番講義室(赤門を入ってすぐ右の建物2階)

■主催: 東京大学大学院教育学研究科 教育研究開発機構
     教育測定・カリキュラム開発(ベネッセコーポレーション)講座

■問合せ先: sokutei@p.u-tokyo.ac.jp

 ※参加を希望される方は,
   ?お名前
   ?ご所属
   ?研究会名「読解力の発達過程(仮)」
   ?「懇親会参加」の有無
  を,sokutei@p.u-tokyo.ac.jp までご連絡下さい.

※ 開始時間,講演者は本日段階の予定であり,若干の変更が
  加わる可能性があります.最新の情報はホームページをご確認下さい.
http://www.p.u-tokyo.ac.jp/sokutei/sympo.html


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■4. 【お知らせその3】2006年度第3回公開研究会「BEAT Seminar」
                         Webサイトのご案内
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8月のBEAT公開研究会「ゲーム・ルネッサンス:いつか来た道、これからの道」
は、おかげさまで席が足りないほどの盛況でした。みなさまのご参加ありがと
うございました。

その内容を BEAT Webサイトに本日公開いたしました。当日出席出来なかった
方、内容を振り返りたい方など、どうぞご覧下さい。

第3回:「ゲーム・ルネッサンス:いつか来た道、これからの道」
http://www.beatiii.jp/seminar/023.html

これからもさまざまなかたちで、進捗状況や成果の報告をしていきますので、
みなさんどうぞご期待ください。


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■5. 編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

夏休み、旅行に出かけるなどして、普段とは違う人々と触れ合った方も多いの
ではないでしょうか。異文化の人々や生活に接することは、世界を広げるだけ
でなく自分を見つめ直す良いきっかけにもなると思います。

私も、子どもがいることで、学校、ワークショップ、その他、触れ合う人の幅も
広がり、色々と貴重な体験をさせてもらっています。

9月開催予定の第5回公開研究会 BEAT Seminar のKeyword は、"交流学習"です。
(またも満員御礼で、申込は終了しています。ごめんなさい。) 
学校でのインターネット活用に伴い、学校現場で子ども達が交流学習を行い、
異文化に触れ合うことができるようになりました。どのような学びが発生する
のか、そのノウハウも含め情報盛り沢山なプログラム、今から楽しみです。
参加されない方も、セミナーレポートを楽しみにお待ち下さい。


では、次号のBeatingもお楽しみに。


                        「Beating」編集担当
                             佐藤 朝美
                         satomo@beatiii.jp


-------次回発行は9月第4週頃の予定です。
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「Beating」編集担当
佐藤 朝美(東京大学大学院 学際情報学府 山内祐平研究室 修士課程2年)
satomo@beatiii.jp

□「BEAT」公式Webサイト
http://www.beatiii.jp/

□発行
東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」

Copyright(c) 2006. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.
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